長岡市役所 中心市街地整備室 インタビュー

長岡市に受け継がれる「米百俵」の精神と、次世代へ投資するまちづくり

新潟県の主要都市の一つとして、新潟市に次ぐ人口を擁する長岡市。
JR「長岡」駅周辺から中心市街地の発展を推進する開発計画が進められており、市民が集う多機能施設「アオーレ長岡」や、大学のように交流できる学びの場「まちなかキャンパス長岡」の積極的な活用など、様々な活動が行われています。
今回は、有名な故事「米百俵」の精神で進める次世代へ投資するまちづくりについて、「長岡市役所 中心市街地整備室」ご担当者にお話を伺いました。

中心市街地
中心市街地

長岡市について

――長岡市の概要(人口、特長など)について簡単にご説明ください。

担当者:長岡市は、新潟県の中央部、中越地方の中核都市です。日本一の大河・信濃川が市内中央にゆったりと流れ、守門岳から日本海まで市域が広がる自然豊かな人口27万人のまちです。

長岡のまちは、1618年の長岡開府から400年以上の歴史を持つ城下町で、明治維新に伴う北越戊辰戦争や太平洋戦争の長岡空襲により、残念ながらまちの大部分が焼失してしまいましたが、その都度「米百俵」の精神で立ち上がり、全国に誇れるまちづくりを進めています。

※「米百俵」の精神
北越戊辰戦争で焼け野原となった長岡に、支藩の三根山藩から百俵の見舞いの米が贈られてきました。しかし、時の長岡藩大参事・小林虎三郎は、「国が興るのも町が栄えるのもことごとく人にある。食えないからこそ学校を建て人物を養成するのだ。」(山本有三 戯曲「米百俵」)と、百俵の米を困窮する藩士に分配せずに売却し、国漢学校設立の資金としました。
この「米百俵」の精神は、長岡市のまちづくりの指針や人材教育の理念として、今日まで受け継がれています。

「千秋が原ふるさとの森」にある米百俵の群像
「千秋が原ふるさとの森」にある米百俵の群像

――「中心市街地整備室」様の担う役割についてもご紹介いただけますでしょうか。

担当者:中心市街地整備室では、主にJR「長岡」駅周辺の中心市街地のまちづくりを担当しています。かつての長岡城本丸跡が、現在JR「長岡」駅となっており、昔も今もこの中心市街地エリアがまちの中心となっています。

JR「長岡」駅
JR「長岡」駅

「長岡市中心市街地活性化基本計画」について

――概要をご紹介いただけますでしょうか。

担当者:「長岡市中心市街地活性化基本計画」は、長岡市が行う市街地の整備やまちなか居住の推進、にぎわい創出のためのイベントなどを総合的かつ一体的に推進するための計画を、内閣総理大臣が認定し、国の支援が受けられる制度です。1期5年間の計画を認定してもらうもので、長岡市は第3期計画がスタートしたところです。

――この計画により街はどのように変化したと感じますか。

担当者:長岡市では「長岡市中心市街地活性化基本計画」により、車社会の進行や郊外型大規模ショッピングセンターの進出などにより衰退した中心市街地に、市役所機能のまちなか回帰を目指した「アオーレ長岡」の整備をはじめとする都市機能の更新と再集積、イベントなどの市民活動の展開の支援等を進めてきました。その結果、「アオーレ長岡」には毎年100万人以上、中心市街地全体では毎年約180万人が訪れるなど、中心市街地が市民の憩い集う「心のよりどころ」として浸透してきており、少しずつですが人の流れや、新しい店舗のオープンなどの民間投資も戻りつつあると感じています。

――この計画に基づき、今後予定されている事業などはありますか。それによって街はどう変化していくことが期待されていますか。

担当者:現在認定を受けている第3期計画では、「米百俵」の精神の発祥の地である大手通坂之上町地区に、読書だけではなく知的創造を促す新しいスタイルの図書館や、市内の4大学1高専のイノベーション拠点、若者と民間の事業者が気軽に交流できる人材育成・産業交流サロンやカフェなどを整備する予定です。
こうした新たな拠点の整備により、中心市街地全体の人の回遊が進むとともに、未来の長岡を担う子どもや若者が育つ環境と、若者が活躍できるフィールドがまちなかに整い、新たなイノベーションや、新しい産業が産み出されることを期待しています。

――中心市街地の今後の開発計画などがありましたらご紹介ください。

担当者:先ほど申し上げた、新しいスタイルの図書館などを整備する「大手通坂之上町地区市街地再開発事業」のほか、民間による駅前の再開発事業や、大規模店舗の空きビル利用などの計画もあり、ここ数年のうちに、長岡市の中心市街地は目を見張る発展を遂げるものと考えています。

「アオーレ長岡」について

――「アオーレ長岡」は、「シティホールプラザ」ということで整備を進められていますね。この施設の概要と、今後の計画予定についてお聞かせください。

担当者:シティホールプラザ「アオーレ長岡」は、5,000人を収容できるアリーナ、開放感のある屋根付き広場「ナカドマ」、そして市役所が一体となった全国初の形態をとる複合施設です。日本を代表する建築家・隈研吾さんの設計による、木の温もりにあふれた自由空間となっており、市民協働と交流の拠点として活用され、多くのイベントなども開催されています。
今後も、アリーナを活用したスポーツイベントやライブ、「ナカドマ」を活用した『美味しい酒にアオーレ 越後長岡酒の陣』などの人気イベントを引き続き開催し、市民が憩い、集い、出会う、“ハレの場”としてご利用いただけるような施設にしていきたいと考えています。

「シティホールプラザ アオーレ長岡」
「シティホールプラザ アオーレ長岡」

――屋根付き広場「ナカドマ」や「アリーナ」など豊富な機能があるようですね。こういったスペースではどのようなイベントが開催されていますか。また、実際に訪れた方々からの反応はいかがでしょうか。

担当者:「アオーレ長岡」のアリーナは、プロバスケットボールBリーグの「新潟アルビレックスBB」のホームアリーナとなっており、Bリーグ公式戦などは大変な盛り上がりです。アリーナではこうしたスポーツイベントをはじめ、アーティストのコンサートやライブイベント、各種講演会のほか、大相撲やアイススケートショーなどが開催されたこともあります。

「ナカドマ」では、雨や雪でもイベント開催が可能な全天候型の半屋外巨大空間として、「美味しい酒にアオーレ 越後長岡酒の陣」などの食のイベントや各種展示会、生産者が旬な野菜や加工品を持ち寄る「ばくばくマルシェ」、移動販売車や屋台などの出店も定期的に行われています。

来場者の皆さんからは大変好評をいただいており、来場者アンケートなどでも「長岡市のイメージが良くなった」、「賑やかになった」と回答する人が、アオーレ長岡オープン直後からさらに増加しています。

――地域の方々にとってどのような施設となることを目指していらっしゃいますか。

担当者:いつでも、「アオーレに行けば、何かがある」という「ハレの場」としての利用はもちろん、市民協働と交流の拠点として、普段から多くの市民にご利用いただけるような施設を目指していきたいと考えています。

「まちなかキャンパス長岡」について

――地域交流センターとのことですが、具体的にはどのような活動が行われていますか。

担当者:「まちなかキャンパス長岡」は、大勢の人がまちなかに来て交流し、大学のように様々なことを学べる“学びと交流の拠点”です。

長岡市の高等教育機関(長岡技術科学大学、長岡造形大学、長岡大学、長岡工業高等専門学校)と連携して、市民の皆さんの多様なニーズに合わせた講座を企画、開催しています。気軽に参加できる単発講座「まちなかカフェ」や、学びを深める連続講座「まちなか大学」など、学びをステップアップできる体系も特徴です。

また、「まちなかキャンパス長岡」では、会議室のほかに、ダンスや体操ができる「多目的スペース」や、楽器の練習ができる「スタジオ」、料理や工作をするのに便利な「創作交流室」など、様々な用途に応じた部屋をご用意しています。サークル活動など仲間で集まって活動する際にもぜひご利用ください。

――どのような層の方々が参加されることが多いですか。

担当者:「ながおか学」「芸術」「サイエンス」「生活」「多文化」「ビジネスヒント」など、様々なジャンルの講座を開催していますので、年齢問わず興味のある方が参加されています。お子さんの夏休み期間となる7月~8月は、こども向け講座もたくさん開催しています。

また、「多目的スペース」や「スタジオ」などでは、シニア世代の方々の健康体操や若者のバンド練習など、様々な年代の方から幅広くご利用いただいています。

――「まちなかキャンパス長岡」のように、コミュニティを活性化するような活動が他にもありましたらぜひご紹介ください。

担当者:「まちなかキャンパス長岡」のほかにも、「アオーレ長岡」や幸町にある「さいわいプラザ」などにも、サークル活動等でお使いいただけるスペースがあり、地域活動や趣味のサークルなど多くの方が市民活動を楽しんでいます。

アオーレ長岡の市民協働センターでは、そうした活動団体の紹介なども行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

長岡市の魅力について

――この街の魅力はどのような点にあると感じていらっしゃいますか。

担当者:長岡市では、春はお花見、夏はアウトドアやマリンスポーツ、秋は紅葉、冬はスキー・スノボなどのウィンタースポーツと、季節の移ろいを感じることのできる様々なレジャーが楽しめるとともに、四季折々の豊富な海の幸や山の幸、全国有数の米どころと名水によって育まれる、酒蔵数全国第2位を誇る日本酒もお楽しみいただけます。

「長岡市 郷土史料館」と桜
「長岡市 郷土史料館」と桜

また、毎年8月2日・3日に開催される長岡まつりでは、日本三大花火に数えられる大花火大会が有名で、毎年100万人以上の観光客が訪れます。

東京まで新幹線で90分、田舎過ぎず都会過ぎず、自然と都市とが調和したまち、それが長岡市の魅力ではないでしょうか。

「長岡まつり」の花火
「長岡まつり」の花火

――長岡市として、今後のまちづくりのビジョンがあればお伺いしたいです。将来的にはどのような街になることを目指していらっしゃいますか。

担当者:長岡市では、将来を実際に担っていく30代以下の「若者」を主役に据え、「若者」が持っている様々な個性と力を活かし、伸ばし、いきいきと活躍するために、「米百俵」の精神で、10年20年先の未来を担う次の世代に投資するまちづくりを進めています。

将来に渡って元気で若々しいまちであり続けるため、若者はもちろん経験豊かな世代も含め、すべての市民の皆さんが協働し、愛着と誇りの持てる「ふるさと長岡」をつくっていくことを目指しています。

長岡市役所
長岡市役所

長岡市役所 中心市街地整備室

所在地 :新潟県長岡市大手通1-4-10
電話番号:0258-35-1122
URL:https://www.city.nagaoka.niigata.jp/index.html
※この情報は2019(令和元)年8月時点のものです。