長岡市古正寺エリアサイトNAGAOKASHI-KOSHOJI

スペシャルインタビュー

長岡花火の魅力を伝えながら、地域のチャレンジを後押しする観光交流施設「道の駅 ながおか花火館」

新潟県長岡市にある「道の駅 ながおか花火館」。休憩施設や土産品の販売といったサービスを提供する道の駅であり、日本有数の花火大会「長岡花火」の魅力を紹介する複合型観光交流拠点として2020(令和2)年にオープンした。以来、長岡市内外から多くの人が足を運ぶ新たな人気スポットとなっている。

今回は駅長の武士俣さんに、当施設、そして長岡市の魅力について、お話を伺った。

長岡花火の魅力がよくわかる「ながおか花火ミュージアム」

ミュージアム外観
ミュージアム外観

――「道の駅 ながおか花火館」とは、どのような施設なのでしょうか?概要を教えてください。

武士俣さん:休憩や飲食・土産物サービスを提供する「道の駅」としてのサービス・施設機能と、長岡花火の魅力をご紹介する観光施設を融合させた施設です。県外のお客さまを中心に、「長岡花火を一年中楽しめる。知ることができる。学べる施設」ということで、いつでも長岡花火を楽しんでいただきたいという思いを込めて運営しています。

関越自動車道「長岡I.C」からすぐの好立地
関越自動車道「長岡I.C」からすぐの好立地

武士俣さん:メイン施設の「ながおか花火ミュージアム」では、壁一面に描かれた紹介コーナーで長岡花火の歴史や技術、魅力をご紹介しているほか、原寸大の花火玉や花火筒の展示などもおこなっています。花火のゲームなどが楽しめる幅15m、高さ6mの大型スクリーン「大はなビジョン」では、身体の動作をセンサーが感知し、連動して花火が打ち上がるなどのアクティビティが楽しめる仕掛けが施されていたり、遊びながら楽しんでいただける仕掛けもご用意しています。

入場は無料。館内では写真も自由に撮影可能。
入場は無料。館内では写真も自由に撮影可能。

迫力の映像と音響でいつでも長岡花火を堪能「ドームシアター」

――施設の一番の見どころはどこでしょうか。

武士俣さん 一番人気は、ミュージアム2階にある有料施設の「ドームシアター」です。毎年8月2日、3日に打ち上げられる長岡花火を映像と音響で体感できるドーム型のシアターで、360°撮影可能な高性能カメラで実際の長岡花火の動画を撮影して映像化しています。毎年、花火を撮影していますので、その年の長岡花火の模様を、いつ来てもお楽しみいただけるようになっています。

ドーム型スクリーンで映像と音響で長岡花火を再現した「ドームシアター」
ドーム型スクリーンで映像と音響で長岡花火を再現した「ドームシアター」

――施設が設立された目的を教えてください。

武士俣さん 長岡花火は全国的にも知名度の高い花火大会であり、長岡市自体も、市内外へ向けて「長岡一のコンテンツです」と発信しています。しかし、意外なことに長岡花火の情報発信を大々的におこなっている施設は長岡市内になかったんです。そこで「長岡花火の魅力をまとめて紹介出来る施設をつくろう」という構想が10数年前ぐらいから立ち上がり、2020(令和2)年の当館オープンにいたりました。

当館のオープンは2020(令和2)年の9月18日ですから、オープン直前の時期がまさにコロナ禍のはじまりにあたります。その頃は、まさか社会がこのような状況になるとは予想もしていませんでした。緊急事態宣言の発出などもあり、正直「本当にオープンして大丈夫なのだろうか」と不安になることも多かったのですが、大変多くのお客さまにご来館いただき、おかげさまで4年目を迎えることができました。

「道の駅ながおか花火館」駅長 武士俣さん
「道の駅ながおか花火館」駅長 武士俣さん

――施設利用者からの評価はいかがですか?

武士俣さん ありがたいことに「今まで知らなかった長岡花火のことを、深く知ることができる」といった、うれしいお声をたくさんいただいています。また、当施設は関越自動車道の長岡I.C.から車で3分という立地もあって、県内外の皆さまからご利用いただいており、「アクセスが良いので助かる」といったご感想も多く頂戴します。

地域のチャレンジを後押しする施設として

――地域社会と連携したイベントを企画される際に意識されていること、企画の特徴などをお聞かせください。

武士俣さん ジャンルを問わず、花火館ではさまざまなイベントが開催されています。地元の飲食店が参加する「食」のイベントや、ママさんたちによるハンドメイドアクセサリーの販売、広場ではダンスコンテストが開催されたこともあります。自動車メーカーの展示会など、広い敷地面積を生かした展示会も多いですね。

施設内にある「イベントルーム」「交流ルーム」では、会議や講演会、説明会などビジネスユースでもご利用いただいています。立地の良さ、広い駐車場、飲食店も数多くあるということで、イベント主催者の方からも「使い勝手が良い」と大変好評です。

広大なスペースのメリットを利用して開かれるイベント
広大なスペースのメリットを利用して開かれるイベント

――地域とのつながりで施設として大切にしていることを教えてください。また、道の駅として今後長岡市をどのように盛り上げていきたいですか?

武士俣さん 地域とのつながりには「広い目で見た時」と「狭い目で見た時」の2パターンがあると思っています。広い目で見た時は、当施設は道の駅の機能を持った「観光施設」です。そもそも観光施設としての目的は、まずは県外・長岡市外のお客さまに足を運んでいただき、楽しんでいただく、ということです。市外からの外貨を得て結果的に市の財源が増えることにつながる、大切な役割をもっている施設だと思います。

特産品販売コーナーでは、長岡花火にちなんだオリジナル商品のほか、長岡市内各地の特産品・土産を販売
特産品販売コーナーでは、長岡花火にちなんだオリジナル商品のほか、長岡市内各地の特産品・土産を販売

武士俣さん 「狭い目」で大切にしていることは、「地域のチャレンジしたい方々を後押しする」という「個」へのサポートでしょうか。これまでに多くのイベントを開催してきましたが、そのたびに「長岡市内には、こんなにも多くの団体がイベントの開催場所を求めていたんだな」ということを実感します。

各種イベントが開催される広大な屋外催事スペース「雁木いちば」
各種イベントが開催される広大な屋外催事スペース「雁木いちば」

――他団体や周辺施設との連携についてお聞かせください。

武士俣さん 花火大会を主催している長岡花火財団さんや、「フェニックス花火」を打ち上げるためのメイン団体のNPOフェニックスさんなど、長岡花火に関係する団体とは当然ながら深く連携しています。当館の一番人気コンテンツである「ドームシアター」の映像は長岡花火財団さんが制作していますし、コンテンツ制作にあたっては他団体との連携が欠かせません。

他にも、長岡商工会議所、長岡商工会議所の青年部、青年会議所(JC)など、市内のさまざまな協力団体と業務連携提携を結んでおり、花火の分野に限らず、さまざまな連携を円滑に行えるよう努めています。

花火打ち上げゲームなどが楽しめる「大はなビジョン」は小学生を中心に大人気
花火打ち上げゲームなどが楽しめる「大はなビジョン」は小学生を中心に大人気

武士俣さん また、校外学習の場としても多くの教育機関からご利用いただいています。小学校はもちろん、幼稚園、中学校、大学といった幅広い年齢層の学生さんたちにご利用いただくのはとてもありがたいことだと思っています。つい先日は、小学生が学校の田んぼで自ら育てたお米を収穫し、当施設で販売するというイベントを開催しました。長岡市特有の魅力的な取り組みだと感じています。

優しい人柄と、「食」が魅力の長岡市

長岡の食を楽しめるフードコート。花火を連想させるオブジェが各所に。
長岡の食を楽しめるフードコート。花火を連想させるオブジェが各所に。

――長岡市の住みやすい点をお聞かせいただけますか。

武士俣さん やはり地域性というか、市民のみなさんと日々接していても、優しい方、優しい思考の人方が多いと感じる点ですね。

――教育に対しても熱心な方が多いとも聞きました。

武士俣さん 小林虎三郎の「米百俵の精神」(※)が語り継がれていることもありますし、長岡市は教育熱心なほうなのかもしれません。長岡市内には大学が4校ありますし、教育環境も良い方なのではないでしょうか。

※米百俵の精神:明治初期、戊辰戦争の影響で困窮する長岡藩が、救援米として受け取った米百俵を、復興を担う将来の人材育成に活かすために学校の設立資金に使った。

――個人的に長岡市のエリアで好きなスポットはありますか?

武士俣さん 個人的に好きなのは、公園ですね。とくに気に入っているのは「国営越後丘陵公園」。とても広くてアクセスも良く、子供を連れて行くのに最高の場所です。規模は大小さまざまですが、市内にはこのような公園がいくつもあります。

春にはチューリップも咲く「国営越後丘陵公園」(提供:公益社団法人 新潟県観光協会)
春にはチューリップも咲く「国営越後丘陵公園」(提供:公益社団法人 新潟県観光協会)

武士俣さん あとは、「ご飯がおいしい」ということ。これだけでも、住環境としてとても恵まれたことだと思います。とくに、古正寺・千秋エリアにあるラーメン屋さんは全店舗美味しいと思います。新潟県はラーメン消費量が全国トップクラスということもあって、長岡に限らず県内にはおいしいラーメン屋さんがたくさんあります。おいしい飲食店めぐりをするのも楽しいのではないでしょうか。

――最後に、長岡花火に対する思いと、来場者へのメッセージをいただけますか。

武士俣さん 長岡花火のはじまりは、太平洋戦争末期の長岡空襲からの復興を目指してスタートした慰霊の花火でした。「焼け野原のなか、諦めない心を持ってみんなで長岡の町を復興していこう」と始まったものが、今では全国的にも有名な花火大会になりました。そういった長岡花火の由縁、歴史を大々的に打ち出すことも大切で、我々としても重視しているところです。

「道の駅ながおか花火館」駅長 武士俣さん
「道の駅ながおか花火館」駅長 武士俣さん

武士俣さん いっぽうで、「まずは花火そのものを楽しんでいただきたい」という思いもあります。たとえば長岡花火の象徴とも言える正三尺玉の大きさなど、「花火自体の面白さ」「花火そのもののすごさ」をわかりやすくお伝えすることで、長岡花火をより好きになっていただけるのではないかと思います。とにかくまず見て、感じて、そして楽しんでいただき、好きになっていただく。その後、もっと長岡花火のことを深く知りたいとなった時に、歴史や思いを深掘りする。長岡花火を知る入り口として、当館を楽しんでいただけたら嬉しいですね。

「長岡まつり花火大会」の正三尺玉
「長岡まつり花火大会」の正三尺玉

駅長/統括マネージャー 武士俣 一樹さん
駅長/統括マネージャー 武士俣 一樹さん

長岡市道の駅 ながおか花火館

駅長/統括マネージャー 武士俣 一樹さん
所在地:新潟県長岡市喜多町707
URL:https://nagaoka-hanabikan.niigata.jp/
※この情報は2023(令和5)年11月時点のものです。

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